食パンは私が生まれた昭和40年代後半ですでに朝食の定番アイテムにしていた家庭も多いのではないでしょうか。
私は、子供でしたが街のパン屋さんで3斤の食パンを母が1本まるまる買っていた記憶が残っています。
年子の兄が両端の耳の部分を欲しがって食べていました。
なぜ、日本で食パンが早くから定着したのでしょうか。
それは、食パンが1番おいしかったからでしょう。
焼きたては言うまでもなくおいしく食べることができますが、食パンはトーストし易くつくられています。
パン生地は焼くことででんぷんがα化して口どけが良くなり、消化しやすい状態になります。
しかし、冷めるとでんぷんが再β化といって加熱前の状態に近づいてしまいます。
パンが冷めると固く感じるのはこのためです。
そして、この再β化したパンを再び加熱するとα化の状態に戻ります。
つまり、トーストする事で焼きたての状態に戻して食べることができます。
このトーストする事が、炊飯器でお米を炊いて食べる日本人の感覚に合っていたのではないでしょうか。
今では、フランスからの製パン技術が広められ、さらに有能な職人達によって全く新しい製パン技術も開発されています。
パンも多様化し様々なパンを手軽に買うことが出来るようになりました。
そして、その多くが大変美味しく食べることができます。
ますます、パンの文化が広まり日本の食文化に多様性をもたらしてくれることとおもいます。