HACCPを基にした衛生管理が義務化されて、猶予期間は最長2年ということで2021年6月だそうです。
イメージとしては、東京オリンピックをメドに実施させたいということだそうです。
私の工場では、ローカルHACCPという簡易版HACCPの認証を受けています。
「これから、何をしていけばいいの?」
と不安に思っている方もいらっしゃるかと思いますが、まだ猶予がありますので少しずつHACCPを理解していけば良いと思います。
HACCPって何?
HACCPとは…危害分析および重要管理点といった意味合いです。
健康に悪影響を及ぼす事象を分析して管理する衛生管理の方法です。
余談ですが、アポロ計画に導入された考え方だそうです。
実際にはどのようなことを行うのか?
実際には、危害分析からスタートです。
HACCPチームを作るのですが、小さな店舗などではある程度の経験のある人みんなで作る事になると思います。
このHACCPチームでミーティングを行い危害分析を行います。
納品→保管→計量→ミキシング→フロアータイム→…
工程を追いながら、どのような危害が存在するか考えていきます。
そんなに難しくないです。
例えば、冷蔵保存の原料が冷蔵庫が壊れていたため高い温度で保管されてしまった、そのため原材料が痛んだ。
その原材料を使い製品を製造してしまい食中毒を起こした。
といった場合、冷蔵庫の温度記録を適切な頻度でつけていれば冷蔵庫の故障にいち早く気付き、食中毒を出さずに済みますよね。
簡単に言うとこれがHACCPの考え方です。
HACCPで重要なCCP
さらに、危害分析の中でこれを外すと製品の安全性が著しく損なわれる点があります。
これをCCP(重要管理点)と言います。
パン屋さんでは、加熱行程つまりオーブンですね。
ここが重要管理点になることが多いと思います。
例えば75℃で1分以上という基準があった場合。
中心温度計量などを使いカマ入れ後何分で75℃に達するかを調べ、そこから1分経過した時間が最低条件になります。
実際は、これを下回るとパンとして製品にならない場合がほとんどだと思いますがここが一つの重要なポイントになります。
HACCPでは、CL(コントロールリミット)と言います。
これをクリアするために例えば、200℃のオーブンで20分加熱など実際に使える基準を作っていきます。
記録も大事
基準を作っても、それが守られていることが証明出来ないと意味がありません。
食中毒を出してしまっても
「ちゃんと加熱しました!」と
いくら言葉で言っても通用しません。
毎日、決められた記録をしっかりつける事で初めて
「ちゃんと加熱されてましたね」となります。
そのために、記録をつける習慣付けが非常に重要になってきます。
CCPの記録はもちろんですが、それ以外の温度管理記録や納品時の記録なども大事になってきます。
それらの記録をチェックして保管するところまでがHACCPになります。
基準を外れた場合の対応も
日々の製造の中で、基準を外れてしまう事があるかもしれません。
その場合の対応もルール化しておかなければなりません。
これがないと、基準を外れても商品化されてしまう可能性があるからです。
例えば、
”基準を外れた場合はすべて廃棄”
や
”基準を外れた場合は再加熱”
などしっかりルール化しておきます。
まとめ
非常に簡単にHACCPの考え方を書いてみました。
実際にはもう少し複雑ですが、実際に導入する前に一度確認しておくとすんなり導入に入っていけるかと思います。
また、機会があれば簡単な記録のテンプレートなどもご紹介していこうと思います。