手捏ねは良い教材
パン屋さんに務めている職人さんの中にも手捏ねをしたことが無いという職人さんは実は少なく無いのではないでしょうか?
大量に生地を仕込むとなると手捏ねでは大変ですし、人件費も莫大にかかってしまいます。
どうしても大量に作ろうとなると、機械化は避けられません。
しかし、手捏ねという作業は実はパン生地を理解する上で非常に勉強になる作業です。
様々なスキルの習得が出来る
更に、生地の扱いや生地温度の把握など様々なスキルを鍛えることができます。
ミキサーで捏ねていると多くの情報を視覚に頼る事になりますが、手捏ねの場合は肌を通して触覚で情報を得ることができます。
どこまで力を入れると生地が傷んで行くか?やどこまで捏ねると良いパンが出来るか?などはミキサー捏ねより手捏ねの方が習得するのに適しています。
良いパン作りの為に
また、機械はパワーがある為短時間で伸びのある生地を作ることが出来ます。
この事が、実は味気ないパンに繋がる事があります。
こね過ぎる事で生地は良く膨らみ一見良いパンの様に思えますが食べてみると風味にかけるパンに仕上がっている事があります。
手捏ねでは中々そこまでこねる事もないでしょうが、それでも捏ね続けると同じ現象が起こります。
これは非常に重要なポイントだと私は考えています。
現在の量産型のパンはこねすぎて風味が薄くなるため様々な副材料で味を補っている様に感じるのです。
しかも、この製パン法が主流となっています。
これでは小麦本来の風味を味わう事が難しいでしょう。
しかし、現在のパン屋さんの中にはミキシングを抑え風味豊かなパンを焼き上げているパン屋さんが増えて来ている様に感じます。
まとめ
ですから、まだ手捏ねをしたことのないパン職人さんは是非とも手捏ねを経験して欲しいと思います。
手捏ねを経験する事でより製パンの理解を深めていって小麦の風味を感じられるパンを沢山作っていって欲しいと考えます。