オートリーズってご存じですか?
主にフランスパンなどリーン(砂糖などの副材料をあまり含まないパン)な生地で行われる、ちょっと変わった寝かし時間のことです。
具体的には、小麦粉、モルト(麦芽を糖化させたシロップ)、水を混ぜ合わせ30分休ませます。 その後、イースト、塩を加えてこねていきます。
この、30分休ませる時間のことをルポ・オートリーズとかオートリーズまたはオートリーズタイムと呼びます。
なぜ、こんな事をするの?
なぜ、わざわざこんな時間を取るのかと言いますと実はいくつかの理由があるんです。
一つは、ミキシング時間の短縮です。 この方法で、15%ほどミキシング時間を短くできるという説もあります。
ミキシングを短くすることで、小麦粉の香り豊かなパンに焼き上げる為です。
次に、水和(小麦粉に水が吸い込まれていくこと)が進みべた付きの少ない扱いやすい生地に仕上がります。
更に、ミキシングに時間をかけないことでよく伸びる生地に仕上がりボリュームのあるパンに仕上がります。
一方で、作業時間が伸びてしまうことやパンの戻り(皮が水分をすって柔らかくなること)が早いなど欠点もあります。
誰がはじめたの?
オートリーズは、レイモン・カルベル氏(フランス国立製粉所?学校だったかな?)により日本に伝わりました。
ビゴの店のフィリップ・ビゴ氏と共に日本にフランスパンを伝えた方です。
このカルベル氏が考案し、ドンクに最初に伝わり徐々に一般に知られるようになりました。
オートリーズの現在
現在では、多くのパン職人がこのオートリーズを採用して良質なパンを焼き上げています。
リュスティックやロデブなど、オートリーズと相性の良いパンも近年人気が高まってきています。
いざ挑戦!
いつもと同じ配合で大丈夫ですので、小麦粉、モルト、水だけで混ぜて30分休ませてから捏ねてみてください。
あれ?同じ生地?
と思うほど、伸びの良い生地に仕上がりますよ!
是非、お試しください。