パン屋さんで一番大事なのはやっぱりレシピ
パン屋さんはどうやってレシピを管理しているのでしょう?
家庭用のパン作りに書かれているレシピの多くは強力粉300g程度の
家庭でも作りやすく、いちいち計算しなくても作れる最適量で書かれています。
パン屋さんのレシピ管理
パン屋さんではどのようにレシピを管理しているかというと
パン屋さんはベーカーズパーセントという方法で管理しています。
バーカーズパーセントとは
ベーカーズパーセントとは、小麦粉(強力粉や薄力粉、全粒粉、またはライ麦やココアパウダー等も含む場合があります)を100とした時の
それぞれの原料の割合で表していくパン屋さん独特のレシピ表記法です。
日本語では粉対比と表現する場合もあります。
ですから、パン屋さんで「フランスパンを10kg仕込む」といった場合は
正しくは、「フランスパンを小麦粉10kg使って仕込む」という意味合いになります。
ですから、仕上りの生地は10kg以上になっています。
概ね17~18kg程度の生地が仕上がることになります。
レシピのまとめかた
パン屋さんでは、多くの種類のレシピを保有しています。
1枚の紙にレシピを1アイテムずつまとめて、クリアケースなどにいれ一冊
の本のように管理していることが多いのでは
ないでしょうか。
また、現場で使うように仕込み㎏数毎に書いたレシピをまとめてラミネート
して現場に張り出していることも多いです。
小規模のベーカリーでは、毎日微妙に仕込みkgを調整する場合も出てきます
ので日報形式で日々計算して配合表をつくることもあります。
ベーカーズパーセントの使い方
ベーカーズパーセントの使い方は、仕込み㎏数をかけあわせて使います。
たとえば、
フランス粉……100%
塩…………………………2%
ドライイースト……0.3%
水…………………………70%
というレシピで「2㎏仕込む場合」
フランス粉→2kg×100%
塩→2kg×2%
ドライイースト→2kg×0.3%
水→2kg×70%
という計算を行い
フランス粉→2kg
塩→40g
ドライイースト→6g
水→1.4kg
となりこれでやっと計量する準備に入れます。
仕込み㎏数の出し方
そこで問題になってくるのが仕込み㎏数の出し方です。
「フランスパン100本注文が入ったよ」
という時、どのような計算で仕込み㎏数を出していくのでしょうか?
ここで必要になってくるのが係数です。
係数とは、ある数値を求めるのに必要な数字という事になります。
ここでいう係数とは、必要生地重量から仕込み㎏数を求める数値を意味します。
係数の求め方
係数の求め方は意外と簡単です。
1kgを(1kg仕込んだとき出来る重量)で割ると求めることが出来ます。
今回の例では、
1キロ仕込みの上がり重量は
フランス粉1kg+塩20g(0.02kg)+ドライイースト3g(0.003kg)+水700g(0.7kg)
=1.723kg
1kgをこの数値で割ります。
1÷1.723=0.58038……
あまり細かく出しても計量できないので小数点第二位程度で四捨五入か切り上げ、切り捨て等で数値を丸めます。
こうして出た数値
0.58が係数となります。
係数の使い方
この係数を使って、さらに計算していきます。
先ほどの例では、「フランスパン100本の注文」でした。
ここではフランスパン1本を350gで分割してるとします。
必要生地重量は
350×100となり35000gつまり35kg
仕込み㎏数を求めるには、
必要生地重量×係数
で求まります。
ですから、
35×0.58=20.3
つまり
仕込み㎏数は20.3Kgとなります。
レシピに直すと
フランス粉→20.3Kg
塩→406g
ドライイースト→60.9g
水→14.21kg
となります。
これでやっと仕込んでいけます。
更にもう一点
この程度で十分と思いますが、このように計算しても
「あれ!?生地が足りない」
なんてことが良く起こります。
どういうことかというと、作る途中で手についた生地やミキサボウルについた生地等のロスが
発生します。
パン屋さんでは、発酵ロスと呼んだりもします。
この数値は正確にとらえるのが難しいのですが、計算上の97%位が一般的な数値になると思います。
この数値をどこにかけるのかといいますと、1キロ仕込み当たりの上がり㎏数にかけちゃいます。
1723×97%→1671.31
これで計算しなおすと、
係数0.598……→丸めると0.6
35×0.6=21
仕込み㎏数は21キロになります。