三日月パン
クロワッサンは皆さんご存じの通り三日月という意味ですよね。
でも最近のクロワッサン三日月型していますか?
三日月型のクロワッサン
私がパン職人になりたての頃はまだまだ三日月型のクロワッサンが主流でした。
成形は現在のストレート型のクロワッサンより難しいです。
全体の長さを充分に出さなくては綺麗な三日月型にならないためいくつかのポイントがあります。
切れ込みを入れる
一つ目は底辺の中央部に2cm程度切れ込みを入れます。こうすることで長さを充分に出すことが出来ます。
長さを伸ばす
二つ目は巻き込んだあとでクロワッサンの向きを180度回転させ左右を入れ替えます。
向きを変えたところで、両手で手前から奥に転がすようにして長さを出して行きます。
この作業が難しいです。生地に体温が伝わると油脂が溶け出して綺麗な成形ができません。
短時間で手数を少なく伸ばして行きます。
綺麗に並べる
三つ目は、長さを充分に出したクロワッサンを真ん中から2つに折る感じで形をつけます。
その後、形を整えながら天板に並べて行きます。
発酵とともに徐々に形が広がってくるのでそれを見越して形を整える事もポイントの一つです。
2つの形違いはあるの?
所でなぜ三日月型とストレートのクロワッサンがあるのでしょう?
諸説あるようですが、もともとは三日月型だったようです。
その内、食生活が豊かになる中バターの配合を増やして作るパン屋さんが出てきました。
しかし、先ほども説明した通り三日月型にするのはバターの配合が増えるにつれてバターが溶け出し安くなり難易度が上がります。
そこで、ストレートにする事で作りやすくなり、形も通常のクロワッサンと差別化も出来ます。
この様にして、現在のクロワッサンの形が広まったのでしょう。
一部で、ストレート型のクロワッサンをクロワッサンオブール(バターのクロワッサン)と名付けられ販売されているのはその名残りではないでしょうか。
しかし、現在では三日月型だからバターが少ないとか、ストレートだからバターをふんだんに使用しているとかの区別は当てはまらない事が多いようです。
気になったらお店の方に聞いて見るのが一番です。