レーズンパンに混ぜるレーズンについて少し私なりの考えをまとめたいと思います。
最初に作ったレーズンパン
私が最初にレーズンパンを作ったのは最初に務めたパン屋兼洋菓子屋の店でした。
そこでは、カレンズというレーズンより一回り小さい実とレーズンを12.5%ずつ配合していました。
カレンズはレーズンより強い酸味がありパンの特徴を出すのに一役買ってくれていました。
生地は70%の無糖中種法で、砂糖20%塩1.5%卵、ミルクは配合していないシンプルな物で、前処理は水でサッと洗うだけでした。
レーズンは戻さないとパンが硬くなると言われていますが、それほど気になる硬さは感じませんでした。
大変美味しかった記憶があります。
また、戻したり漬け込んだりしていないので生地はレーズンの混ざり込みが起こらず真っ白で綺麗な状態に仕上げる事が容易にできました。
ホテルのレーズンパン
次にホテルのベーカリーでレーズンパンを習いました。
ホテルは流石に作業が丁寧でした。
レーズンを仕入れると、1箱分を漬け込んで行きます。
先ずぬるま湯を使ってレーズンを少しふやかして選別しやすい状態にします。
潰れたり、傷んだものは水面に浮かんで来ますそれらを取り除き、さらに丁寧に悪いものを取り除いて行きます。
綺麗になったレーズンを今度は氷水に付けて行きます。ふやけて柔らかくなったレーズンが今度はカチカチに固くなって来ます。
固くなったら、両手で雪玉を握るように水分を絞って行きます。
水分を絞り終わったらレーズンにネグリタラムという有名なラム酒とブランデーVSOPで漬け込んで居ました。
生地はストレート法のノーパンチでバターロールより少しリッチな配合だったと記憶しています。
手間をかけただけあって、愛着の湧く素敵なパンでした。
ケーキとまでは行きませんが、高級感のあるパンでした。
レーズンパンの製法のコツ
レーズンパンのこつとしてはやはり綺麗にレーズンを混ぜ込む事だと思います。
先にも述べたように漬け込まない物はそんなに難しくありません。
漬け込んだレーズンを混入する場合、潰れて生地を汚してしまいます。
それと、漬け込みの液体が混入の邪魔をする所も作業を難しくしています。
ポイントとしては混入前に漬け込み液をしっかりザルなどで切って置くことと、ミキサーは短時間で止めて、生地を手で少し返してあげまた短時間回すを繰り返してしあげて行きます。ちょうど、餅つきの横で餅を返している人がいますがあんな感じです。
レーズンが潰れて生地に混ざり込んでしまうと生地は茶色くなり、見た目だけでなく発酵にも悪影響を及ぼして生地のキレなどの欠陥を起こす事があります。
レーズン混入でお悩みの方は試して見てください。